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2010年09月17日

Mastering終了!

またブログの間が空いてしまって、すみません。
毎日、必死です...。

色々な事が遅れがちになっている中、一つ嬉しい事がありました。
ボストンに居るマスタリング・エンジニアと一ヶ月のやり取りを経て、
ついに昨日、マスタリングが終了しました。

スタジオでの最終チェックは、プロデューサー陣と分かち合いたい、
主要メンバーを呼んで、マスターの試聴会を行いました。

全員で試聴会を行ったのは、ヴォーカル・プロデューサーであるRuthが
サウンド・エンジニアリングの勉強で、来週から2年間ロンドンに行ってしまい、
完成版を手渡せないからという事が理由にありました。

一番苦楽を共にし、このアルバムのMVPの1人である彼女に何かをしたい。
せめて、最終版の音源をスタジオの良い環境で聴いて貰いたい。
リハーサル時には、私はいつも2人分のお弁当を作って持って行ったのですが、
彼女は私の手料理をとても好きでいてくれたので、
全員分のお弁当を作って、試聴会兼、彼女のFarewell Partyを開こう、
そう思い立って、ミキシングエンジニアのGeoffに相談、快くOKしてくれました。

スタジオに19時集合で号令をかけましたが、
売れっ子の全員が集まれたのは20時30分。
時間が遅くなってしまったのでまずはご飯!という事になり、
マスタリングのチェックより先に打ち上げという変な形ではありましたが、
みんなお弁当をきれーいに全部平らげてくれました。

写真撮っておけばよかったのですが、持参したのは、
ししゃものマリネ、牛肉のアスパラ&にんじん巻き、カレーコロッケ、手羽先、
なすの中華炒め、トマトのカプレーゼ、きんぴらごぼう、油揚の煮物、
和風ピクルスに山菜おこわ、デザートに巨峰とデラウェアとブラックベリー。
見事に一つ残らず、無くなりました。
"Sachiyo, I think you'd better open your new Japanese restaurant."
な〜んて言われちゃったりして。haha.

ビールにワインも飲んで、おいおい、こんなんでマスタリングチェック出来るのかと
いい具合に出来上がった所に、Geoffの"Shall we?"の一声でスタジオ入り。

「マスターをスタジオでチェックするのは私も初めてなので、
 悪いけどディレクターズ・チェアには私が座らせて貰うわよ!」と言うと、
全員、"Ye〜s, Miss producer!"と声を合わせてお返事。

22:30から試聴会が始まりました。
最初の数曲は、RuthとAdamは、「このアレンジ、性格強いわ〜」とか、
「この曲はミュージカル色強いな、誰の作曲?」「Dickよ!」「ああ〜通りで。」
などなど、お喋りしてましたが、3曲目位から全員シーンとなりました。
音を逃さないように、一つ一つ丁寧に聴いていきます。
1曲1曲、本当に色々な思い出があります。

長かった。
レコーディング初日が4月16日、最終マスターチェックが9月16日。
所用期間5ヶ月。
全員"Nice to meet you."から始まって、関係を築き、音楽を作り、分かち合い、
心が何度も折れそうになり、その度に助けてくれる誰かが必ず居て...。
ここまで来るまで、本当に長かった。

最後の曲に差し掛かった所から、涙腺がゆるんで来ました。

そして、11曲全曲終了しても、全員何も発さず、静まりかえったまま。

口火を切ったのは、Ruthでした。

"This is...really great. What a quality of the sound...
Everybody has done a great job...especially you, Sachiyo.
I could feel your heart. You did a really really great job. Excellent!!"

そして全員立ち上がって、拍手。

もうだめです。私は声を上げて泣いてしまいました。

全員私に集まって来て、肩を抱いたり、背中をさすったり、
頭を撫でられたり、もう、何だかもみくちゃ(笑)

ShyなエンジニアのReubenまで、"Sachiyo、this is for you..."と言って、
ティッシュを箱ごと持って来てくれて、みんな優しくて嬉しくて...。

リスナーの皆さんに最初に聴いて頂く音。
マスター音源、ついに完成です。

前回のブログでも書きましたが、私は発売にあたって解決しなくてはならない、
色々な事と今、戦っています。
でも、マスタリングを無事に終えられた事、主要メンバーの温かい言葉に、
また気を取り直してがんばっていこうと思える勇気を貰いました。

帰宅しても、興奮覚めやらず。
そんな所にReubenがSMSをくれました。

"Thank you for the very nice dinner tonight.
Its been a pleasure to working with you.
I have learnt a lot working with the professional like you.
Its been a privilege. Thank you!"

あのShyなReubenが、またもやこんなメッセージをくれるとは。
嬉しかったので、ここで紹介しちゃいます。許せReuben!

私達は「これが日本のやり方」とか「これがシンガポールのやり方」とか
いった事を言い合って、どちらかのやり方に準じるという事ではなく、
その一歩先の「新しいやり方」を見つけなくてはならない。
互いに「音楽」という分野のプロフェッショナルとして。

彼のメッセージを読んで、私はまた心を新たにしました。

アルバム発売直前。
まだ何も始まっちゃいない。
本当の勝負はこれから何だと思います。

2010年09月01日

mastering、そして...

マスタリング、3度目のやり直し。

2nd versionについて、ミキシング・エンジニアのGeoffと
やり取りした内容を全て、ボストンにいるマスタリング・エンジニアの
Jonathanに投げる。

そしてついに昨日。
5曲のファイルが上がって来た。
そのファイルに添えられていたJonathanの言葉にまず感動してしまった。

Digging in again incorporating sachiyo's comments.
I am pretty happy with where I am ending up in this round.
...and hoping that this version speaks to your hearts and minds!

そして、一聴。
涙がぽろぽろ出た。
なんという臨場感。
目の前でライブを行っていると思える音質。
涙が出たのは、レコーディングをしている最中の
自分の感情が蘇ったからだと思う。それだけリアルなのだ。
演奏しているミュージシャンの気持ちが見える音。

ええ、心にちゃんと話しかけて来ましたとも。

This is the sound that I've been looking for!
思わず、Geoffに叫んでしまった。

しかしすぐにJonathanには、お返事せず。
何と言うか、ここまでのレベルの音質になったんだから、
この辺の小さい気になる事はもうよしとしよう、と考える方が失礼と思えて来る。

ここまでやって頂いたのなら、とことん言う。
それが礼儀のような気がして来た。

Geoffには、
「音のディレクションは完全に定まったと思う。
 しかし、ここと、ここと、ここが気になる、どう思うか?
 早ければ今晩、遅くても明日にはお返事しようと思ってるけど。」と聞くと

「sachiyo、焦るな。ファイナルステージだ。ここまで来たんだから、時間をかけろ。
 妥協しなくていい。とにかくまず聴いて。」

「ありがとう。そうさせて頂きます。」

昨晩、そうやり取りして、実はまだお返事していない。

でも、音源に関しては、安心出来る所まで来た。

もう大丈夫だと思う。

しかし。

今こそ、発売に向けての制作最終段階。

その他の色々な事を一気に片付けなくてはならない。

今回はビジネスの規模が大き過ぎる。

責任も大きい。

大変な覚悟が必要だ。

ひとつひとつ、きちんと把握しておかないと。

でも、何が何がなんでも、この作品を世の中に送り出したい...。

だからと言って、焦らないように。

落ち着いて。冷静に。

発売日は既に決まっているけれど...
本当に迷ってしまったら、発売を遅らせてでもきちんと解決する。
そういう根性で臨まないと。

こんなこと、ブログに書いていいのかわからないけど...
今、めちゃくちゃ色々な事と戦っています。
がんばれ、アタシ。

2010年07月30日

Mixing終了!

またちょっと間が空いてしまって、すみません。
COMPASS Awards以後2週間、ミキシング(編集)に苦しんでました。
アルバム収録曲全11曲。
各曲性格が違うし、方向性も異なるので、1曲1曲シングルCDとしても成り立つように、
かと言って、同じアルバムの屋根の下に収めている意味合いもちゃんと
汲もうとしているからまあ大変。
編集が大変と言うと、そんなに修正してるのかと思われちゃうかもしれないけど、
そういう事ではありません。
ProToolsというソフトが登場して以来、様々なデジタル処理や加工が
出来るようになったのは事実ですが、今回私が最もこだわったのは、
ヴォーカルの立ち位置や、各楽器のバランス、音量や音質等についてです。
歌詞の意味合いを考えて、ヒロインの心をどこに置くのか。
どの程度のボリュームにするのか。
歌ってる空間は、ホールか部屋の中か。
臨場感をどのように出すか。
Audio files、つまりオーディオマニアにも納得して貰えるような音作りを
目指しました。

プロデューサーのAdamとRuthが抜けてからも、
エンジニアのGeoffと二人で取っ組み合って、最終仕上げに一週間を費やしました。
Geoffは私以外にも、シンガポールの国家プロジェクトを何本か抱えてますが、
「他のプロジェクトが終わった後、作業は夜でもいいかい?
 sachiyoのアルバムはじっくりやりたいし、その方がゆっくりやれるよ。」
と言ってくれて、だからスタジオ入りはいつも21時とか22時。 
そこから5、6時間かけるので、帰りは毎回明け方でした。

帰り道。
深夜、道はすっかり空いているので、タクシーはビュンビュン飛ばします。
高速から、シンガポールの夜景を眺めながら、音の方向性に迷った時は、
涙が出る日もありました。
精神状態の善し悪しによっても、音の聴こえ方が違ってくるので、
少し回復してから、もう一回聴いてみよう等、自分の状態のコントロールも必要でした。

家に3時とか4時に着いて、耳の中に音がこびりついて寝れないので、
ホットミルクにハチミツを混ぜたものを、両親を起こさないように、
キッチンでひっそりと飲む...なんて日も何回かありました。

全てを支えたのは、私がこのアルバムの「プロデューサーである」ということ。
だから泣き言は言わない。
指示や、意思表示、理由は明確に言う事。
かと言って、わからない時はカッコつけないで言う事。
「でも、わからな〜い。助けて〜!」ではなくて、
「ここの部分のこういう部分がわかりません。
 どのような方法を使えば、この音が明確になりますか?」など、
相手が答えやすくなるような質問をすることを心掛けました。
Geoffはいつもにっこり笑って、
「方法はAとB二つある。両方やってみて、両方のヴァージョンを作ろう。
 ここで判断出来なかったら、家に持って帰って聴いてごらん。返事は明日でもいいよ。」

9月発売は決定しているので、途中時間をかければ、
最後は睡眠時間度外視でやらなければならない事態が起きるのがわかっているのに、
彼は「sachiyoが、良しとする音を作ること」を、何よりも優先してくれました。

面白かったのは、レコーディングの際に決めていた曲順が、
ミキシング終了後には大幅に変わってしまったこと。
自分自身でストーリーを作って曲順を組み立て、
エグゼグティブ・プロデューサーである社長に提案、一発OK。

最後のミキシング日である昨夜、さすがにユンケルを2本持参して、
「Geoff、これお土産。Japanese Major Leaguerのイチローも飲んでるのよ〜。
 これ飲んで、今日は最後のひとがんばりしよー!」と言ったら、
「ああこれ、sachiyoがいつもレコーディングの時に飲んでた奴ね。
 何飲んでんだ?って、いつも不思議に思ってた。大丈夫。
 今晩の仕上げはそんなに大変じゃないよ。もったいないから取っておく。」
と言われ、何だか気持ちがほんわかしてしまいました。

最終日は所要時間1時間半。
21:30にスタジオ入りしたけれど、23時には作業を終えました。
何回も編集し直したので、Mix 3aとか、Mix 4bB1とか、
ファイルネームが色々あって、しかも5まで作ったけど4に戻ろうと
いった事もあったので、どれがファイナルミックスか確認するのに一苦労。
Mix 7までいった曲もありました。私は本当にこだわり過ぎ。
そしてついに全曲の最終ファイルと曲順を添えて、マスタリングに出しました。

今回はマスタリングはアメリカで行います。
何だかスターみたいでしょ?(笑)
日本人とシンガポール人が作った音源を、アメリカ人がマスタリングする。
さあ、どんな音になって帰って来るか。
「sachiyo、ここまで音にこだわったんだから、あなたアメリカに行って、
 直接エンジニアと話し合って来たら?」と言われましたが、
残念ながら、そんな時間はありません。
ジャケットの制作、プロモーションのプランニング等、
発売日までやる事はまだまだ山程あります。

全ミキシング、所要日数1ヶ月。
前作2枚とも、2日でやった事(それもありえない話ですが)を考えると、
大変な時間の掛け方です。
最初から最後まで、親身になって付き合ってくれたGeoffにひたすら感謝。
そして、自分の担当が終わってからも、
「迷ったり、悩んだりしたら、いつでも相談して。
 夜11時以降で良かったら、いつでも駆けつけるから。」と言ってくれた
ヴォーカル・プロデューサーのRuth Lingにもひたすら感謝。
彼女は今、Dick のミュージカルのピアニストとアレンジャーで、
毎日、13時〜23時までリハーサルを行っているのです。
そんな長時間リハを行った後に、来てくれると言ってくれたRuthの気持ちが
私は本当に嬉しかった。事実彼女は心配して、リハ現場から何度か電話をくれました。
甘える場所があったから、
「大丈夫。私はプロデューサーだから。ここは自分で決めないと。」と
答えられたのかもしれません。

Geoff、Ruthありがとう。私、やっと安心して寝れるよ。本当にありがとう。

▼GeoffとRuth。レコーディングが終了した日、ビールで乾杯した時の写真です。
 二人で"Cheers to sachiyo!!"と言ってくれています。"Cheers to both of you, too!!"
29July2010.JPG

2010年07月11日

Mixing, Mixing...

毎日毎日、こんなに明け方まで仕事をしていて大丈夫だろうか...と時々思う。
只今、ミキシングの真っ最中。7曲、ほぼ終了した。
四六時中、ヘッドフォンやイヤホンを使って、細部に渡って音を聴き分け、
エンジニアさんに意向を伝えていく訳だが、本当に緻密な作業で耳が痛い。
音楽を聴いていない時も、音が頭の中で渦を巻いている。

前述のAdamと3曲終了後は、もう1人、
ヴォーカルプロデューサーのRuth Lingと8曲を取っ組み合っている。
彼女の事についてはまた今度色々ご紹介しようと思うが、この人も本当に粘り強く、
音楽への執着心がハンパじゃない。
もう1db(デシベル)どころか、0.1db単位で話し合っている気がする。
私達は本当に変態だと思う。

しかしこのミキシングという作業は、「どういう音を作りたいか」という事を
明確に表現するいい訓練になる。
前にも書いたが、Music is highly personal.
音楽は個人的志向が強く「シンプルに」と言っても、シンプルには個人差があるので、
「自分好みのシンプル」を理解して貰わないといけない。
以前日本のエンジニアさんが、「サボテンのような音を作って下さい」と指示され、
困った事があると言っていたのを思い出す。どんな音だ!(笑)

日本語でも難しいのに、英語で表現するのは更に難しい。
でも、この1、2ヶ月位で、英語での音楽表現や用語をだいぶ覚えた。
"Sibilance"(S,Z等で終わる単語を発音する時に生じるリップノイズ)なんかは、
英語ならではの問題だし、シンガポーリアンの中で多用されている
表現とかも色々あるわけで。
でも今やっている事は、ライブでエンジニアさんに音の意向を伝えるのに、
凄く役立つだろうなあ。

基本的には、yousendit(日本の宅ファイルみたいなもの)で音源を送って貰って、
メールでああしてこうしてと指示をして、ある程度エンジニアさんに編集して貰ったら、
スタジオに行って更に再チェック、そこでまた編集作業という繰り返しである。
この「メールで伝える」つまり文章で送っている所が、よい勉強になっている。

Adamと3曲、Ruthと8曲、ミキシングを終えたら、
総合プロデューサーとして、私とエンジニアさんの2人だけで、
更に最終検討をしようと思っている。
母に言ったら「あなたもしつこいわね。適当な所でやめられないの?」と言われた(笑)

はい。やめられません。
精魂込めて録音した音源、納得の行くまでとことんやるのみ。
エンジニアのGeoffも「最後の最後までつきあってやる。」と言ってくれてるし。

そんな中、昨日はちょっとだけ時間が出来た。
AdamとGeoffは、Indoor Stadiumで某ロックバンドのコンサート。
Ruthは、Singapore Expoで某大物歌手のコンサート。
うちの事務所は、制作と運営を担っているので、
メンバー全員出払ってしまって、誰も相手をしてくれなかったので(苦笑)
しかし、こうやって考えると、うちのメンバーはみんな大物なんだなあと
つくづく思う。

1人で黙々と作業をしている所に、「Expo、sachiyoも来るか」と
事務所のスタッフに言われ、出掛けることに。
やる事がたんまりあるので、1時間半だけ拝聴して帰って来たけれど、
楽しかった。全編中国語だったので、全部は理解出来なかったけど、
中国人のライブはエンターテイメント性が強いなあといつも思う。
Ruthの演奏も良かったし。

というところで、人の話をしている場合じゃない。
ついに来ました。
ワタクシ、sachiyoのデビュー戦。
アルバム発売前にいきなりの大舞台です。
明日11日、シンガポールの音楽賞の一つである"COMPASS Awards"で、
ゲストパフォーマンスを行います。日本人歌手としては初の出演になります。
Swissotel Hotelの"Raffles Ballroom"と言えば、1,500人は入る...。
FNS歌謡祭、新高輪プリンス"飛天の間"といった所か...。
"COMPASS"は日本で言う所のJASRACみたいなもので、こちらの著作権管理団体。
作詞作曲大賞を始め、この1年で、シンガポールの音楽シーンに最も功績を残した
ミュージシャン達が表彰されます。
シンガポールの音楽業界の主要人物、団体が一同に集結する場所で...歌うのです。

大丈夫かな...アタシ?
ちょっと緊張するけど。
かなり緊張するけど。
がんばれます。
それだけの事をやって来たのだから。
サウンドチェックでは、エンジニアさんに音を明確に伝えられそうだし。
サポートしてくれるスタッフも居るし。
ちゃんとやらないと。

という訳なので、寝て明日に備えます。
おやすみなさい。

2010年06月22日

Finished recordings!!

Done!!
I finished all the recordings tonight...
Finally, I did it!!
I could manage to finish everything....finally.

Sorry, I really like to speak English now...pls allow me to do this...
No, it's better to come back to Japanese mind...

という訳で、本日全てのレコーディングを終えました。
すみません。少し酔っぱらってます。
最後のアルコールが1月15日。
5ヶ月振りにビールを飲みました。
信じられないほど、美味しかったです。

長かった...。
It took me a long time to reach this point..

病気と戦いました。
声帯結節になって声が出せなくなってから、歌えるようになるまで、
たくさんの眠れない夜がありました。
声が出ない...。
私の歌手人生は終わったとさえ思いました。
死ぬほど泣きました。

結節だけではなく、極度のストレスから、熱が上がったり下がったりで。
...眠れなかった。

英語と戦いました。
日本語の曲から英語曲へと...橋渡し作業が本当に辛かった。
しかもそれが出来るのは私だけ。
Since I'm the one and only Japanese in this project.

特に最後の1週間が一番辛かった。
最後のレコーディング曲は、"Southern Christmas"でした。
一番最初に手をつけた楽曲なのに、最後の録音曲となりました。
昨年の11月から取り組み始め、3人の作詞家とバトルし、
昨日までよい言葉を探し続けました。

しかし、オリジナル7曲の英語詞、全て満足しています。
繊細さと微妙さを失わない、Asian English songsを成立する事が出来ました。

たくさんの新しい試みを行いました。
今回は、backing vocals...つまり、コーラスワークをかなり行っていますが、
原曲のシンプルさと 素朴さを失わない音は何なのか、
自分の耳と感覚を信じ続けました。

自分を信じること。
自分の心の声に耳を傾けること。
今回「心の声」を収録してますが、その中の英語詞、
"Believe your inner voice...just keep moving on...
and listen to the voices from your heart"この歌詞が本当に支えとなりました。

今回の音楽制作に関わった全ての人達、一人残らず、真っ正面から挑みました。
とことん向き合いました。
自分の音楽を理解して貰うために、最大限の努力をしました。
それでも上手くいかない時もありました。
でも、あきらめなかった。
I thought everybody was looking for the same direction...
that's why I don't want to give up all the things.

Practice makes perfect.
自信をつける為には、とにかく練習して、自分の体に馴染ませる他に方法はない。
練習こそが、運命を変えられる。
そう信じて、朝から晩まで歌い続けました。

録音初日が4月16日。
2ヶ月の期間を経て、本日6月21日、全ての録音終了です。
スタッフ全員抱き合って、この最良の瞬間を分かち合いました。

みんな本当に辛抱強く、よくついて来てくれました。
「自分の音楽に明確なVisionを持っている。そして私達の意見も尊重してくれた。
 あなたのようなプロデューサーと仕事が出来て私達は幸せだった。」と、
ヴォーカルプロデューサーは言ってくれました。
これはさすがに泣けました。

ミュージシャンとしてだけではなく、人間として。
この言葉を聞けただけでも、私はシンガポールに来た甲斐がありました。
そしてシンガポーリアンとここまで心を合わせて仕事が出来て本当によかった。
国境を超える事が出来ました。

さあ。
まだ終わったわけではありません。
この作品を世に送り出す為に、やらなくてはいけない事が山程あります。

でも、今日から。
制限した全ての食べ物...アルコール、カフェイン、スパイシーフード...
これらを食する事が出来ると思うと、乗り切られます(笑)
明日の朝食は5ヶ月振りのコーヒーを飲もうと思います。

Good night everyone.
Sweet dreams...

2010年06月13日

最後の追い込み。

ちょっとブログの間が空いてしまって、すみません。
ハプニングも色々あり、こだわり過ぎている事もあり、
もう何だかほとんど寝てません。
問題は一応解決しそうな感じなので、こうしてブログを書いている訳ですが、
え〜、何が問題かというと...歌詞が上がってないのです。
この期に及んで。
今回のレコーディングはメチャクチャ対応能力いるわ。
例えば火曜に歌詞が上がって、水曜1日で練習して、木曜レコーディングみたいな
感じの日々を送っております。
もう1曲、1曲って感じです。
録音の現場で「やっぱり、don't をdidn'tにする!」なんて事も起こるし。

しかし、録音初期は英語のディクションに悩んでいた訳ですが、
ここに来て即座に対応出来るようになって来たので、私も進歩したようです。
進歩してくると...初期にレコーディングしたものをやり直したくなって来て...。
ヴォーカルプロデューサーにお願いしたところ、
"OK. I understand the meaning why you want to redo. "とさらっと言ってくれて、
また明日録り直し決定!
しかし、みんなよく対応してくれるよなあ...。
何か周囲にリクエストをしたい時に、"I want to be true to my music."
という事を私はよく口にしていますが、これって本当にわがままな事だと思います。

「自分の音楽に忠実でいたい」という看板を掲げて、
全ての事柄に自分の我を通しています。
今回は全メンバーが初共演で、もちろんメンバーを決める際に、
その人をかなりリサーチをした上でお願いしている訳ですが、
やってみないとわからないという事も多々あります。
その人の過去の作品にどれだけ目を通しても、
私の楽曲に対して吉と出るかはわからない。

私なりに精一杯誠意を尽くして接している訳ですが、
相手によって「そうこなくちゃ。どんどん言ってくれ。」という人も居れば
「そこまで言うか。それは出来ない。」という人も居ます。
なかなか難しいです。

しかしそれでも、今回私は人材に恵まれていると思います。
レコーディングメンバーとは、お陰様で本当に固い絆で結ばれました。
もう戦友みたいな感じです。

音録りは、今週が山場です。
ここまで来るまで本当に長かった...。

先週から、ジャケットのクリエイティブチームが動き出しました。
スタイリスト、ヘアスタイリスト、メークアップアーティースト、フォトグラファー、
こちらも音楽制作メンバー同様、シンガポールのトップ・アーティストが集結します。
今週は撮影のロケハン、衣装のフィッティングもあり、髪も切ります。

私は今回のアルバムで、自分の殻を破りたいと思っていて、
音楽でそれが出来つつあるので、
ジャケットも今までとは全く違うイメージにしようと思っています。
もちろん基本のsachiyoは変わらないんだけど。
少し冒険し過ぎかしら...という衣装も着る予定。

シンガポールの国柄のせいか、最近ファッションに対して攻撃的になって来ていて、
前はこういうの着ないかもというものもじゃんじゃん着てます。
ミニスカートも履いてるよ。
ベリーダンスの衣装着たら、もう怖いものない感じです(笑)

フォトグラファーと一戦交えるのも楽しみですね。
自分のコンセプトもまとめておこう。

Goal is near...

Beer is also near...(笑)

ラストスパートです!

2010年05月31日

I've conquered myself! (己に勝った!)

何だか熱いタイトルでしょ?(笑)
最近ブログ読んでくれている人から、
「sachiyoさんのブログって熱いよね〜!」って言われてます。
シンガポールの松岡修造だって。ははは。そりゃ暑苦しい。

実は先週の金曜日、4月26日に録音して惨敗となった、
"Michelle"とカバーの2曲の録り直しを行いました。

結果は!
なんと!
前回9時間掛かった録音、今回は最短の2時間半で2曲を録り終えました。
自分でもびっくりです。

まず、ウォームアップでさらっと歌ってみると。
例の鬼プロデューサー。

「sachiyo...どれだけの努力をしたんだい?前回の100倍位いい出来だ。
 この内容は素晴らしい...100回は歌ったでしょ?」
 と、聞かれたので。

「100回?とんでもない。1,000回は歌ってますよ。」と答えました。

くー。気持ちいい!

この1ヶ月間。
朝起きてすぐ。食事の片付け中、シャワー中、トイレ中、道歩いてても。
ミーティングの合間も。
寝る前も。夢の中でも。ベリーダンスの練習中も(笑)
死ぬほど、歌いました。

そしてその間、他の曲も録音して来たので、徹底的に自分の歌を見つめ直して、
根本の問題が何かがはっきりわかったのです。
そして、どう改善すべきかも。
英語の曲を歌う場合に最も大事な事は何か...見えて来たのです。
技術が改善できたら、後は、録音本番の際の、感情のコントロールだけ。

3テイク録って。
歌ってる最中、何気なくモニターを見たら、
プロデューサー、エンジニアとおしゃべりして笑ってるし。
歌い終わって、"How?"と聞くと、"Yeah...very nice as usual!"と答えられ、
おしゃべりしてて何が"very niceだ!"しかも、"as usual"とは調子良過ぎ。
録音が終わった時にその事を指摘したら、

「いや、だって、安心して聴いてられたから。
 話していても、聴き逃してないし。実際、君の事を話していたんだよ。
 前回とは別人だ!ってね。」ですと。

くー。本当にめちゃくちゃ気持ちがいい!

すみません。
何だか自慢大会みたいになって来たので、この辺にしときますが、
1ヶ月の自主練の結果が、見事に実を結びました!
こんなに嬉しい事はありません。

私は何か物事に取り組む際に、常に念頭に置いている事があります。

Objective (目的)ーStrategy (戦略)ーStatics (戦術)

ある目的を成し遂げる為に、どのような戦略を立て、
具体的にどのような方法を取って行くのか。

広告ウーマンだった時代に、私にビジネスの基本を教えてくれた上司の言葉です。
常にこの事を頭に置いて、仕事を進めて行けと。

この方法論は仕事に限らず、何に対しても置き換える事が出来ます。
家の掃除でも、洋服を買うのでも。

今回一番嬉しかったのは、私の戦略、戦術方法が的外れではなかったという事。

そして、一ヶ月前、録音に失敗し、自信喪失して帰宅した夜。
何が何でも克服してやろう。
多分、これがきちんと出来たら、私、泣くんだろうなあと思っていたのに、
涙が出なかったこと。
努力して、物事を達成出来た瞬間。
それは既に過去のものとなっていて、気持ちは更に前を見ている。
だから涙が出ないのだと、わかりました。
私、また強くなったかな?

録音を終えた時に、
「この歌だったら、Michelleに会えるかな?」とスタッフに聞いたら、
「もちろん。絶対に会える!」と言われた時には、さすがにウルっと来ましたが...。

さあ。録音の山場を乗り越えたものの、
レコーディングが終わった訳ではありません。
この頂上を超えた後に、実は落とし穴があったりします。
まだまだ油断ならない。

今日からジャケット撮影のミーティングも開始。
スタイリストさんを交えての話し合いが始まりました。
シンガポールのファッション業界の人達と仕事をするのも、これまた楽しい。

しかし、同時に何アイテムも進めて行かなくてはならないので、
かなりしんどいなあ。
というわけで、今日はもう寝ます。
おやすみなさい。

2010年05月14日

My special doctors

歌い込み過ぎか、疲れのせいか、今週からまた声がかすれて来た。
声がかすれ始めると、どうしても声帯結節の事が頭をよぎる。
今年に入ってから、耳鼻咽喉科に何回行ったかな...?
優に20回は超えていると思う。

ちょっとでも喉が腫れたり、声が曇り出すと、
もう居ても立ってもいられなくて、すぐにドクターの所に駆け込む。

そう言えば、この2週間行ってないなあと思い、
録音も佳境に入って来たので、声帯を診て貰おうとクリニックに行った。

私の主治医のDr.Chanは、"Hi Sachiyo~nice to see you again!"と言って、
いつも優しく迎え入れてくれる。
英語で考えると、普通にスルー出来る挨拶なんだけど、
日本語で考えると、お医者様にまた会えて嬉しいと言われてもなあ...と、
いつもごちゃごちゃ考えながら診察室に入る。

彼は私の声帯の構造や、声の特徴だけではなく、アルバム制作の全貌も
知っていて、私がどういう事を大事にして歌っているかまで理解してくれている。

今こういう段階で、何曲歌って、リハーサルと録音の間にどの位のインターバルが
あって...とか、状況を説明して、対策と治療方法を説明して貰う。
お薬もいつも最低限。
内容によっては、飲みたくないとか、まだストックがあるからいらないとか、
本当に素直に話せるんだよなあ。

いつもの通り、ファイバースコープで声帯をチェックして貰うのだけど、
もう私はこの検査のエキスパートになってしまった。
どの段階で唾を飲んで、どういう息の吸い方をすると楽とか、熟知してしまった。

幸い、声帯は何の問題もなし。結節の後は見事に完治し、きれいな状態。
ただ、喉にちょっと炎症があると。
「あなた寝てないでしょ! ちゃんと寝なさい。」と怒られる。

昨夜は、エンジニアから夜中の1時に終わった曲のラフミックスが送られて来て、
そこから内容のチェックをしていたら、結局寝たのは朝の5時になってしまった。
先生、お見事!
と、感心して居る場合ではなく、今、寝不足が本当に深刻な問題。
やる事が山積みで、深夜にまで渡る作業が多く、
おまけに録音への緊張か、眠りも浅い。
夢はレコーディングの夢ばっかり。
今月一杯は何とか自分をコントロールして、がんばらないと。

Dr.Chanの後は、スピーチセラピストの元に直行。
今日はお医者様、二本立てだった。

スピーチセラピストのDr.Sin Yongの所には、
最低週1回、難曲の場合は週2回行く事もある。
今回のアルバムのラインナップは、音域の広いものが多く、
無理な発声をして、また結節を作るのが私は死ぬほど怖いのである。

録音した曲のラフミックスをセラピストに聴いて貰い、
発声に無理がないか、細部に渡ってチェックして貰う。
前回のは、オールOKを頂けた。やったね!

そして次に録音する曲のまずストーリー展開を作り、
声の出し方を一緒になって研究する。
このパートは鼻の上部で歌い、このパートはお腹に力を込めて、
背筋を固定させて歌うとか。
専門的には"Head voice"とか"Chest voice"とか用語が色々あるのですが、
レジデンスをその都度変えて、声帯に負担をかけずに
楽に発声する方法を教えて貰う。
「英語の発声」はまた特別な方法論があるので、なかなか難しい。

彼女の素晴らしい所は、調子が悪い時にどのように声を出すか、
ということを教えてくれる点。
スポーツ選手が故障を起こして試合に出なくてはいけない時の、
対応の仕方みたいなものを、次から次へと教えてくれる。
彼女の所に通うようになってから、本当に声がよく出るようになった。

お人柄も素晴らしく、私をしっかりと受け止めてくれている。
いつも録音日時を伝えていて、いざという時、声の出し方に混乱した時は、
いつでも携帯に電話をするという約束をしている。

今日行って、嬉しかったのは、可愛らしいお話が聴けたこと。
前回の訪問の際に、小さな男の子が待合室に居て、
私はいつものように、レコーディングする楽曲を歌い繰り広げながら、
ドクターと話し合いを行っていた。

その男の子が、次に来た時に、
"When is that lady come to sing here for me?"と、聞いたらしい。
OMG...なんてSweetな。
その男の子は私の歌が気に入ってくれたようで、
「僕のために」と思ってくれている所がなんて可愛い。
ドクターには、
「今度、あなたの為に歌う機会を作るわ...と女の人が言っていたと伝えて下さい」
と言った。

あーん。タケルちゃん思い出しちゃったなあ。
昨年日本を出る時まで、私の恋人だった7才の男の子。今はもう8才か。
全然連絡してないけど、元気かなぁ。
「今度、ママ抜きで会わない?」というフレーズが妙に頭にこびりついている(笑)

さて、日曜はアルバムの最難関曲の録り。
難曲ってばっかり言ってるけど、それぞれ難しさの性格が違うのだ。
今回の曲は、「音域」という意味で難曲か。

そしてもう1曲は、私のオリジナル。
今回、ちょっと新しい試みをしてみようと思っている。
日々挑戦。
sachiyoの録音バトルはまだまだ続きます。

2010年05月10日

Music is my life...

昨日のレコーディングは一番理想的な形で終了出来ました。

2曲録って、1曲は結構手こずりましたが、
元々それは予測していた事だったので、覚悟の上でじっくりやりました。

もう1曲は例の新曲。
この難曲を歌うために、技術面、メンタル面、両方を磨いて挑みました。
いつも思うのは、こういうエモーショナルな曲ほど、冷静さが必要だということ。
声に感情を込め過ぎると、音程やテンポが狂う可能性があるので、
それをコントロールしながら、ドラマや声の色を作っていくのは、本当に大変です。

ただ前回の録音の時に、プロデューサーに"I need more!"を連発され、
ピッチやテンポのコントロールは彼に任せて、
自分の感情を一度爆発させてみようと試みた事が良かったようで、
一回天井に手が付いた事で、色々な加減がわかって来ました。
今回は「冷静と情熱の間」が、上手く実現出来た気がします。

2テイクさっと録って、マスタールームに戻った時に、
"So? How was it? What shall I do?"とみんなに聴いたら、
エンジニアさんに"I think you can go back home and sleep!"と言われ、
みんなでSmile。
時間も夜中の0時だったし。

今回は、これまで何度かリハーサルを重ねて来たヴォーカル・プロデューサー
との初録音で、彼女は可愛い顔して、実は例の鬼プロデューサーより
もっとシビアだった。
長時間のリハーサルと録音が続いているので、さすがに私も少し疲れて来ていて、
「え〜まだ、これ以上求めるの?」と思う瞬間もあったけれど、
でも、言っている事が最もな事なので、自分なりに臨機応変に対応して、
リクエストに出来るだけ応えた。
例えば「疲れた?ここで止めようか?」と聞かれたら、
「いや、やってみたいので、10分休憩させてくれ。」と答えたり。

むやみに歌い込む事だけが解決策ではない。
休憩したり、軽く体操したり。
自分を適当に甘やかすのも方法なわけで。
幸い、エンジニアさんが、私が寝転んでもいいように、
ヴォーカル・ブースにラグマットを敷いたり、
あらゆる種類の飲み物を用意してくれたり、
リラックス出来るよう誠心誠意尽くしてくれている。

最も大事なこと、そして誰もが嬉しいことは、最高の歌を残すこと。

私は何でも自分でやって来たせいか、人に甘えるのが苦手で、
何かお願いするにしても、もの凄く周囲に気を使う言い方をしてしまう。

でも今回は英語の利点か、こうしてああしてを割とはっきり言えている。

荷物は持ってもらう、必要な物は全て用意して貰う、休憩したいと言って、
ヴォーカル・ブースの電気を全て消して床に寝転んだり。

歌手は体が楽器で、本人しかいたわる事が出来ない。

それを丸ごと理解してくれるメンバーに、今回私は本当に恵まれました。

プロフェッショナルに囲まれ、自分もプロフェッショナルで居たいと思えること。

そして、これだけの音楽漬けの毎日を...私は本当に幸せに思います。

2010年05月08日

ドラマからドラマへと...

一昨日は、鬼プロデューサーとのバトルの結果、会心の作が録れました。
"Excellent!!"の一声を頂き、
くー、やっぱり英語で褒められると気持ちがよいわーと思った次第です。

しかし...それにしてもやるなあ。
今回私はごちゃごちゃ言わず、
お任せした楽曲は全て彼の色に染めて貰おうと、身を投じたわけですが、
私だけでは絶対に描けなかった世界観、
これまで自分が出した事のなかった声を引き出して貰いました。

お陰で、今回録ったのはカバーなのですが、
原曲とは全く違う内容になってしまった...。
私だけの解釈だったら、こうはならなかった。

でも、やるべき事をサクッと終えると気持ちがいいですね。

さあ、息を着く暇もなく、明日もまたレコーディングです。
今度は自分のオリジナルと、あるミュージシャンから提供して頂いた新曲です。

提供者は...シンガポールと言えば、あのミュージシャン、と言えば、
大体おわかりになるのではないでしょうか。

今回、このアルバムの為に新曲を書いて頂きました。
「sachiyoにパーフェクトに合うと思う。」と言われ、
差し出された曲を聴いた時、涙がぽろぽろ...。
こんなに素晴らしい曲を合うと言って頂けた事が歌手として本当に嬉しかった。

メロディー、歌詞共に本当に素晴らしい。
せつないラブソングです。
この主人公の気持ちには、私もなったことある(笑)
男性なのに、何でこんなに女性の心をきれいに表現出来るのだろう...。

繊細だけれど壮大。
難曲です。
かなり歌唱力が試される。

でも、この曲に最初に色を付けるのは私。
sachiyoヴァージョンが基本となる。
その事実と責任の重さをしっかりと踏まえて、がんばって歌おう。

明日も逃げない。
真っ正面から歌います。

2010年05月05日

Rec.Rec.

昨日はヴォーカル・プロデューサー宅で、また新たに録る楽曲2曲の打ち合わせ。
またもやお弁当持参で、喜ばれました。
彼女の家は、シックス・アヴェニューにある一軒家なんだけど、
2階の2部屋がスタジオとなっていて、ドラムセットまである。
ProToolsもあるし、簡単な録音は優に出来る。
しかし、ミュージシャンは例外無くMacにiphoneユーザーだなぁ。
音楽的に出来る事多いからね。
私もそうだけど。

彼女に見て貰っているのは、英語のディクション、歌い方の方向性とか、
ストーリー展開をどうするかとか、コーラスをどうするかとか、そういった事。
お昼とおやつの時間(女性同士だと必須・笑)を挟んで5時間半の打ち合わせ。

ジャズ出身、バークリー卒、ピアノがメインでシンガーソングライターでもあり、
ギターとドラムも演るとマルチなタレントぶり。
アジアでは間違いなくトップクラスのミュージシャンだけど、
とにかく性格がいい。
私より年下だけど、経験豊富で考え方は本当に大人だわ。
彼女も「まず私がどうしたいのか」を大事にしてくれる。
ケミストリーがとても合う。一緒に居て心地が良い。

おやつの時間に「今回、シンガポーリアンと仕事をしてみて、とても楽だと感じた。
英語のせいか、気質なのか。凄くやりやすい。」と話したら、
「そりゃ、そうよ。だってあなた、シンガポーリアンだもの。」と言われる。
すぐに言い直されて、
「いや、日本人だな〜と思う事も多いけれど、何と言うか
我々に凄く近い感覚を持ってる人だなと思った。新しいけれど、妙に馴染む。」
と、言われた。ちょっと嬉しかった。

今回、シンガポーリアンと一緒に仕事をしてみて、
私はシンガポールとシンガポーリアンがまた好きになった。
いや、もしかしたら、ここまで奥深く彼らと心を合わせた事は、
今までなかったかもしれない。
これから、まだまだ濃〜い時間を過ごしていくのが、楽しみだ。

それはそうと。
前回、9時間掛けて録った2曲。
「録リ直しをしたい」と、プロデューサーに申し出てた。
怒られるのを覚悟で、自分が録り直したい理由を懇々と説明した。
2曲の内、1曲は"Michelle"である。

すると。
「そう言って来るだろうと、予測していた。」と言われた。
まいったな...お見通しか。

プロデューサーを筆頭に、立ち会った関係者全員が、録り直しを許可してくれる。

9時間、全員が神経をすり減らして録ったものを、ゴミ箱に入れていいよ、
と、言ってくれているのだ。
なんとまあ。

私自身は「これだけがんばったのに。」という事を、
こと音楽に対してはあまり考えない。
過程はどうでもいい。結果が全てである。
結果が悪ければ、どうしようもない。やり直すまで。
もちろん、可能ならばだけど。
しかし、付き合う方はたまったもんじゃない、と思う。
だから...本当に頭が下がる。ありがたい。

英語版"Michelle"は、全楽曲の中で最難関曲と判断し、
全てのレコーディングの最終日に持ってくるように、
スケジュールの再調整を行う事になった。
体に浸透させる時間をたくさん頂いたのはいいのだけど、
これでまたハードルを上げる事になったのも事実だ。
でも、Michelle...会いたいから、がんばるよ。

さて。
また明日も別の楽曲のレコーディング。
今更だけど、英語と日本語では、発声も演じ方も全く違うのだと再認識する。
何か、また一歩、前進した気がする。

明日も鬼プロデューサーとの戦い。
見てろ。
今回は負けない。

2010年04月29日

Strings rec.終了

昨日、無事にストリングスの録音終了しました。

当初、大編成になった場合は、北京での録音も候補に上がっていましたが、
アレンジと私の音楽のテイストを考えて、当初より少し編成を小さくし、
シンガポールでの録音となりました。
それでもカルテット以上の編成の録音は初めてなので、エキサイティング!
共演はSSO(シンガポール・シンフォニー・オーケストラ)の皆さん。
いやいや、皆さんプロです。
あっと言う間に終了。
しかも、素晴らしい音。文句なし!

ディレクションはアレンジャーさんにお任せしていればいい訳ですが、
生意気にもストリングスのメロディー、かなりの箇所を変更させて頂いたので、
相変わらず、横にびっちりくっついて、目を光らせている私です。

譜面と皆さんの演奏に、眉間にシワを寄せてチェックを入れている私を見て、
アレンジャーさんに「sachiyo、そんなに神経質にならないの。Just feel it!」と言われ、
「そうだ。これじゃー、あら探しだわ。」と反省。

前回の曲のアレンジャーさんとはまた違う人なのですが、
この方もシンガポールを代表するアレンジャーです。
手掛けた曲名を上げれば、アジア好きの方には、知っている曲ばかりだと思います。

「うちの自宅スタジオに3回も押し掛けてきて、ギャーギャー言う
 クライアントは初めてだ。」と言われ、私はとても迷惑がられました。
だって、電話やメールで「音の表現」って、難しいじゃん。

「音楽」を交流する時は、相手の意見や立場を尊重しつつも、
お互いの懐に踏み込み、踏み込まれが大切なわけで、
私も当初は遠慮していたのですが、段々、遠慮がなくなって来て...。

でも、英語、というかシンガポールって、仕事しやすいなあと思いました。
「遠慮しないで、言いたい事言ってごらん。I don't like it!って言えばいいんだよ。」
と言われ、いや、さすがに"I don't like it"は最終手段でしょ...とは思いましたが、
でも、言っていいって。
理にかなった事を言うのが、鉄則ですけどね。
妥当な理由だと、また"You are right!"とはっきり言ってくれるし...。

このストリングスアレンジをして下さったアレンジャーさんとも、
何かとてもいい関係を築けた気がするなあ。
彼は子供の頃に、シンガポール代表で、日本のピアノのコンテストにも出場していて、
日本びいき。特に京都が大好きだそうです。

しかしこの楽曲、壮大なバラードで、プロデューサーは私です。
大丈夫か?アタシ。
がんばらないと。

本格的なヴォーカル録りを月曜に終了して3日経ち、ふと思った事がありました。
そして、1stアルバムをもう1回自分で聴き直し、大事な事に気がつきました。

今回、エグゼクティブ・プロデューサー、楽曲のプロデューサー、
アレンジャー、ヴォーカル・プロデューサー、スピーチ・セラピスト等、
「私の歌」に対して、色々な事を言う人達がたくさん居てくれています。

全て自分一人で決めて来た私に、それはありがたかったり、おもしろかったり、
戸惑ったり、と色々な感情が、沸き上がって来ます。
ターゲットがアジアの人々なのですから、アジアの音楽のプロである彼らの
言う言葉に耳を傾けるのは大切なことです。
しかし彼らは、真っ先に「私の想い」を優先してくれているのも事実。
それならば。

This is my music.
Music is highly personal.
sachiyo, what do you want to achieve?
Let's listen to the voice of my heart and think what I have to do now.

日本は今日からゴールデン・ウィークですね...。

2010年04月27日

2nd Rec.終了

録音2日目、ヴォーカル録り終了しました。
スタートが17:00で、終わったのは夜中の3時でした...。
ディナー休憩を1時間取った以外は、9時間は立ちっぱなしで
歌っていた事になります。

プロデューサーの求めるレベルが高いのなんの...
と、録音を見ていた、周囲の人間は言っていましたが、
いや、私が思うに、彼はまだそれでも最高に厳しかったとは思えない。
少々、お情けをかけた点はどうしても見えた。
くやしい。
アジアのスーパースター達と仕事を共にしているプロデューサーである。
要求が高いのは当たり前のこと。
そのリクエストに100%応えられない自分が不甲斐ない。
プライベートでは褒められるのが大好きなワタクシですが、
褒めんでいい。徹底的にしごいて欲しい。
これが終了した時点で思った感想でした。

思った以上に苦戦しております。
1stより2nd、そして今回の3枚目と、
音楽性も歌唱力も向上しなくてはいけないのはもちろんのこと、
ターゲットが広がっただけに甘い事は言ってられない。

しかし。
感心するのは、そして本当にありがたいのは、この長時間の録音に、
誰一人として泣き言を言わないこと。
眠いだの、疲れたのだのが、一切出ない。
誰だ、シンガポーリアンは、甘いし、ゆるいし、ねばり強く無いだの
言ってるのは?
そんな奴は、今の私のプロジェクトチームに誰一人としていない。
今回、私は制作チームに本当に恵まれました。

1stや2ndアルバムに収録しているオリジナルの英語版も録り直す事から、
前作の録音環境のクオリティーに出来るだけ近づけようと、
現エンジニアさんが手を尽くしてくれています。
過去のアルバム、私の歌の未熟さは置いておいても、
録った環境設備、音質は最高レベルのものです。
スタジオはavexが「アコースティックな音楽を究極的に追求するため」に作った
録音スタジオとマスタリングルーム。
特に私が使用したマイクは、"Legendary"(伝説的な)と言われている、
1本150万円するコンプレッサーマイクです。

現エンジニアさんは、私の為に前作に限りなく近いマイクを、
60万円かけて購入してくれたそうで、その事は本人からではなく、
周りのスタッフから告げられました。
しかし、ヴォーカルブースで目にしたのは、前作と全く同じモデルのもの!
私は驚いてエンジニアさんの顔を見ると、
「前の録音の時を思い出したかい?日本で録った時の事を思い出して、
リラックスして歌うんだよ!」とウィンクされました。
アシスタント君に聞くと、彼はシンガポール中探してくれたそうで、
シンガポールで、1本しか存在しなかったそうです。
もうアシスタント君達は、カメラ小僧と化して、写真を撮りまくってました。

私はこの事を最初の録音の時に知り、とても感激して、
何か自分に出来る事はないかと考えました。
もちろん、最高のお礼は最高の歌を残すこと。
そして、何かもう一つ...と思い、今回はスタッフ全員分のお弁当を作って
スタジオ入りしました。

「こんなこと、しないでくれー、sachiyo!」と怒られちゃったけれど、
みんなとても喜んでくれました。
シンガポールには日本食のレストランがかなりの数あり、
シンガポーリアンは欧米人以上に日本食に詳しいです。
でも、私の作った家庭料理(きんぴらごぼう、こんにゃくの煮物...etc)は、
みんな「初めて食べるー。嬉しー。」と本当に楽しそうに食べてくれて、
作った甲斐がありました。
こんにゃくを英語で"Devil's tongue"(悪魔の舌)という言い方も
するという事を、今回初めて知りました。
変なの(笑)
あと「こんにゃくって、こんにゃくゼリーのこと?」とも聞かれ、
あんたら、こんにゃくゼリー知ってるんかい!?と、これもびっくり。ははは。

さあ。
まだまだ録音は続きます。へこたれてられない。
明日もまたシンガポール初体験。ストリングスの録音です。

2010年04月24日

Michelle

全編英語アルバムを作る事になって、真っ先に収録しようと思った曲が、
"Michelle"です。
私がこの世で最初に作った曲で、1stアルバムに収録しています。
シンガポールで最初に友達になったオーストラリア人の女の子をテーマに、
私の作曲活動はスタートしました。

題材に取り上げるだけの十分なエピソードが、彼女と私との間にはありました。
そのエピソードについては、ここでお話すると、
また私の性格の悪さを露呈する事になるし(^_^;)
私のアルバムを購入して下さったり、ライブに足を運んで下さった人は
皆さんよくご存知だと思うので、説明を控えます。
ご存知ない方はアルバムを買って下さい(笑)
日本ではホームページ上で。
シンガポールでは紀伊国屋でご購入頂けます。
本当にたくさんの方に愛され、支持して頂いた曲です。

今回、Newアルバムに英語で収録するにあたって、
まず新アレンジにすること、そしてよりPOPにすること。
私は明確な方向性を決めていて、
英語版になった際に、私の希望に最も近いサウンドを作ってくれるに違いない
アレンジャーを自分で指名しました。

英詞については、まずこの曲は自分で作詞をしないと決めていました。
私はこの曲に感情移入し過ぎているので、別の作詞家に頼んだ方がいいと思ったから。
しかし原曲の日本語詞を全て一字一句英語に訳し、
「核」の部分をきちんと理解して貰うよう、説明を繰り返しました。

それぞれにブリーフィングを終えて、上がってきたもの。

まずアレンジャーは、1コーラスアレンジをし終わった所で、
「この方向性でよいか?」と確認の連絡をして来てくれた事が嬉しかった。
この曲への私の想いを大事にしてくれている証拠だから。
最初に聴いた瞬間、「私が言いたかった事がちゃんと伝わっている!」という
手応えを感じました。

そして、歌詞の方。
まず作詞家自身に私は非常に縁を感じました。
なぜなら。会った時に、同じ時計をしていたから。
それは決してポピュラーな物ではなく、私が10年前に日本で購入した金の細い時計。
彼女は同じモデルのシルバー。
同じく10年前にシンガポールで購入したと言っていました。
あのレアな時計を、それぞれ同じ時期に違う国で購入している事が奇跡です。

そして上がって来た歌詞は、お見事!
中でも一行、最も惹き付けられたフレーズがあり、
なぜ私とMichelleの間に、ある悲しいエピソードが出来てしまったのか。
それを説明してくれている内容でした。
そうか、私はその事を怠ったから、彼女と離れ離れになってしまったのだ...と
涙が出ました。

アレンジ、歌詞、共に方向性にOKを出した決め手は、
Michelleと遊んだ時に一緒に見た「オレンジ色の夕日」がはっきり見えたこと。
風や匂いが、鮮明に脳裏に浮かび上がって来ました。

そこから、アレンジャーと作詞家と、また長いやり取りがあった訳ですが、
英語版の"Michelle"はついに出来上がりました。

日本語版は、自分の心の中でお話している内容ですが、
英語版になった事で、直接Michelleに語りかける要素が強くなりました。
また面白いのは、この英語版のアレンジに日本語の歌詞が全くのらない!(笑)
完全に「英語曲」になってしまいました。

けれど...英語版になった事で、いつかMichelleに会えるのではないか、
という期待が大きくなりました。
なぜなら理解出来る人種が増えるから。
世界中の人に聴いてもらう事が出来るようになるから。
すなわち、それが私が最も収録したかった理由だから。

このヴァージョンなら、彼女に会うのは現実のものになるかもしれない...。
後は、私が歌の命を吹き込める事が出来れば、完成です。
Michelle...まもなくレコーディングです。

▼Michelleと私。共に4才の時です。
michelle.jpg

2010年04月18日

録音初日終了。

1回目のレコーディングが終了しました。
結果は、ヴォーカルは惨敗。
あまりのハードスケジュールに体調コントロールが上手く行かず、
本来の声が出せませんでした。
録リ直しです。

ただヴォーカリストとしては失敗でしたが、
プロデューサーとしては、ピアニストの良い音だけは確保出来たので、
それだけは良かったです。

というのも。
あまり録音内容の種明かしをするのはどうかと思いますが、
一般的に、特にポップスの場合、オケを先に録って、
ヴォーカルは後からかぶせるというやり方がほとんどです。

しかし私の場合、1stも2ndアルバムもいわゆる一発録り、英語では"live recording"、
つまり楽器と一緒にライブで録音する方法を取って来ました。
これは私が元々ジャズ出身で、ミュージシャンもジャズの心得がある人が多く、
「バックバンドとヴォーカル」という形にならないように、
「楽器との調和」を基本に歌う事を大切にしているためです。
しかしヴォーカリストとしては、最も技量が試される方法です。

全楽器の演奏、全てに耳を澄ませて、自分の歌い方を決める、
しかも「歌詞」がきちんと聴き手に伝わるように歌う。
冷静さと、相当のコントロール力が必要になります。
今回はジャズアレンジだったので、尚のこと。
くやしい。反省です。

アルバム全体のプロデューサーは私ですが、
各楽曲の方向性を指示するプロデューサーは居ます。
その曲のアレンジャーが兼務しています。
録音に入る前に「今日はどうするか。」と聞かれました。
「ファイナルテイクにするつもりで、臨みます。
しかし良ければの話です。ダメだったら録り直しさせて下さい。」と、
既に本調子でない事がわかっていたので、正直に伝えました。

2度録って、ああ今日はダメだなと判断しました。
プロデューサーに「sachiyo、どうだ?」と聞かれたので、
「ごめんなさい。今日はダメです。私の歌はここで終えたいと思います。
 ピアノの音づくりに集中しましょう。」と答えました。

こういう時は割り切りが肝心です。
自分の良い音を追求したいという我を通して、
ピアニストの音まで損ねてはプロデューサーとしては失格です。
しかもジャズアレンジだけに、呼んでいるのはジャズピアニストです。
彼らは一発入魂タイプのミュージシャンなので、
士気が下がらない内に良い音を録っておかなければなりません。

しかし楽曲プロデューサーの試合運びは見事でした。
ピアニストのモチベーションが上がる言葉選び、具体的な指示、
明確なゴールに向かって、着々と音を作っていきます。
そして、箇所箇所に応じて、必ず私に最終決断をさせます。
"Acceptable?"(受け入れられるか?)と。
こういう場合、最もいけないのは、まごつくことです。
「OKです。」わからなければ、「もう一度聴かせて下さい。」など、
即時に、そして明確に答える事が鉄則。
私の音楽を尊重してくれているが故に聞かれる質問に対して、
わかりやすく答える事が最低限の礼儀です。
それだけは何とかやれました。

ピアノの音がみるみる高揚して、すばらしいソロが録れました。

この日の最高の目標値には行かなかったけれど、
まずはやっておかなくてはならない事は時間内に終えられました。

録音ブースから出て来ると、一番近しいスタッフに、
「全員ヴォーカルはいいと言ってたよ。ダメなの?」と聞かれました。

曲は悲しい内容だし、歌い上げるよりはさらっとカジュアルに歌った方が
いい歌なので、雰囲気的には丁度良かったのかもしれません。
しかし、自分の最も良い声を知っているのは、他の誰でもない私自身で、
私がNoである限り、Noなのです。
「うん。残念だけど、今日はここでやめとく。」と答えました。

この日は、もう1人別のピアニストにも入って頂いて、もう1曲録りました。
しかし歌はピアノのガイドラインとして仮入れするのみで終了しました。

少し自分に甘い発言をするとすれば、
シンガポールでの初めてのレコーディング。
基本的な事は同じでもやはり日本とは進行方法が違います。
勝手がわからない、全てが英語の専門用語で進行する。
ヴォーカリストとプロデューサーとしてのプレッシャー。
大変な緊張を伴いました。
2曲とも、その日のやるべき事を時間内に終えた、
というだけでも成功かもしれません。

しかし私はやっぱりもっと上を目指したい。
この日出来なかった事は、もう2度とやらないようにしよう。
方法は理解したので、次回はもっと積極的に指示しよう。

私は、かなり甘ったれな性格ですが、
こと音楽に関しては、スーパー硬派、そしてドMです。

2006年07月06日

レコーディング2日目終了です。

初日同様12:00にスタジオに入って、今朝7:00に終了しました...。
色々な作業時間を省いても、10時間以上は歌っていた計算になります。
ゔぁー...。
1枚目のアルバムは、ジャズ的なセッションの結果こういう風になった
という仕上がりでしたが、今回は理想的な最終形がはっきりとあって、
それを完璧に再現するという形なので、もう細部に渡って気が抜けません。
私自身の歌の精度も1枚目よりは上がっているのかもしれませんが、
求めるものも高くなっているので、もっともっとと思うときりがありません...。

予想以上に大変な録音となったにも関わらず、最上級の音に向かって、
メンバー、スタッフが心を尽くしてくれる事が本当にありがたいです。
おまけに、気弱になりそうになると、それを察してくれる誰かが必ず居て、
その事が心に染みました...。みんなでっか過ぎるよ。ありがとう。
sachiyo's photo… studio 005.jpg

録音が終わったら息をつく暇もなく、打ち合わせを2件。
今年は本当に過酷なスケジュールですが、
出来るだけ日々思うことをblogに綴っていこうと思っています。

2006年07月03日

レコーディング初日を終えました。

音の万華鏡というか、万国博覧会のようなアルバムが出来そうです。
お昼の12:00にスタジオに入って、出たのは翌朝4:00という
かなりハードな作業でしたが、幸せな、本当に幸せな時間でした。
とにかくみんな凄いです。
とんでもないものが出来るかもしれません。
メンバーみんなのすばらしい音を、きちんと形にして
世の中に送り出さないといけない、そしてみんなの音に応える歌を歌いたい。
レコーディング中、ずっとそんな事を考えていました。

自分がどれだけ音楽が好きで、歌う事が好きかを、神様に試されている気がします。
「これが私の音楽です。」
胸を張ってそう言えるようなアルバムにしたいです...。

2006年07月01日

レコーディング!!

明日、(いやもう今日か)新しいアルバムのレコーディング、初日を迎えます。
実に3年振りの録音です...。
長い3年でした。
思えば1枚目の録音の時は、初めての事だらけで、
緊張やプレッシャーに押しつぶされそうになってたっけ。
私は身長が165cmあるのですが、あまりの心労に体重が39kgまで
落ち込んで(こっ、こわい...)録音が終わると家でピーピー泣いてたなー。
あれから3年...本当に一言では言い尽くせない程、色々な事がありました。
この3年間の経験は、私を強くしました。
あの頃の弱虫のsachiyoは、もうどこにもいません。
笑顔で乗り切ってこようと思います。
7/1は祖母の誕生日だ。
おばあちゃん、今年は会いに行けなくてごめん。
sachiyoは死ぬ気でがんばって来ます...。

良い歌が歌えますように。