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2009年12月28日

Singapore Idol 2009 Grand Finals

昨夜、Singapore Idol 2009のファイナルがIndoor Stadiumで開催されました。
私は8月の放送開始から、日本に帰国した時以外はほとんどの放送を
観て来たので、今お世話になっている音楽事務所にチケットをおねだりして
生でファイナルを観て参りました。

▼事務所が用意してくれたチケットは何と「セレブリティー招待席」の1列目!!
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▼「プレミア・エントランス」から会場に入り、ステージは目の前!
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▼審査員席はすぐ横!
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私の横のレーンや背後には、出場者二人の家族や親戚の方達が座っていたので、
何だか気持ちがシンクロしてしまって、関係者のような気持ちで観ました。

おまけにゲストは、先日国歌を歌った時に主賓でスピーチをされた
Lui Tuck Yew大臣だったので、1人で大盛り上がり。
失礼にも手を振ってしまいました(笑)

司会のGurmit Singhは、CMブレイクの時は私の横に座ってたりしましたよ。

1列目だけに、TVにガンガン映ってしまって、
今日、「昨日、あなた会場に行ったでしょ? TV観たわよ〜!」と
結構色々な人に言われました。恐るべし、全国放送!

Indoor Stadiumの客席はほぼ埋まって、8,000人の集客があり、
国民の関心度の高さを感じました。

さて、問題の決勝は、
22才のマレー系男子のSezairi Sezali (山本山みたいな名前なんだけど)と、
21才のフィリピン&ユーラシアン(アジア人とヨーロピアンのミックス)の
ミックスの女子、Sylvia Ratonelの一騎打ち。

各自、2曲の自由曲と審査員のKen Limが作曲した楽曲、
"Touched by an angel"の計3曲を歌いました。
優勝者は、この楽曲でシングル・デビューする事が決まっています。

シルヴィアは、"Mercy"(Duffy)と"Yellow"(Coldplay)
セザイリは、"Crazy"(Aerosmith) と"Virtual Insanity"(Jamiroquai)
を、自由曲として歌いました。

全て知っている曲だったし、決勝に至る前に既に歌っている楽曲だったので
(一番得意で好評だった曲をぶつけてきたという事ですね)、
オリジナルと、また彼らの前のパフォーマンスとも違いを比べる事が出来て
面白かったです。

まず、驚いたのが、Media Corpの小さな会場でずっと歌ってきた彼らが、
この規模の会場での歌い方、見せ方が、完璧に出来ていたということ。
もちろんプロの指導もあるのでしょうが、未経験の彼らがここまで出来る事に、
お姉さんとしては、もう何だか目がウルウルしてしまいました。
ダンサーも付いて、実に見応えのあるパフォーマンスでした。

二人とも本当にキレイになった!本当にカッコよくなった!
自分の長所、個性を最大限に生かして、
「最高のエンターテイメントをお客様に提供する」という意気込みが
きちんと伝わってきました。
審査員も、「これはコンテストというより、プロのショーを観ているようだ」と、
感心していました。

審査員評価は、1曲目はシルヴィアに軍配が上がり、
2曲目はセザイリの方に上がった。
そして、デビューシングルとなる"Touched by an angel"。
TVには映っていなかったけど、セザイリの歌のエンディングで、
作曲者である、あの辛口のKen Limが笑顔で拍手をしているのを見て、
「決まったな」と私は思いました。

ショーが始まる前に、司会者がそれぞれのサポーターの熱意を
拍手で確かめたりしていたのですが、会場は圧倒的にシルヴィアの
支持者の方が多かったのです。
今年は、女子チャンピオンが誕生するという下馬評が多く、
みんながそれに向かって進んでいるという雰囲気でした。

ところが、セザイリののびのびとした歌と独自のパフォーマンスに、
観客は完全に彼に魅了されてしまい、拍手が鳴り止まないのです。
私自身もやはり今年は女子チャンピオンが出て欲しいと願っていたし、
シルヴィアはそれに匹敵する逸材と思っていたのですが、
「これだけの歌を歌われたら文句ないわ。ヤラレタ!」と、
気持ちが動かされ、私は、すぐ側にいらっしゃるセザイリのご両親に、
思わず拍手を贈ってしまいました。
ご両親は息子のベストを尽くした姿を見て、
結果が出る前から既に泣いておられました。

視聴者から見ると、セザイリのサポーターの方が会場には多かったと
思える光景ですが、そうではないのです。引っくり返ったのです!
シルヴィアのサポーターの方が多かったのですよ。

審査員のDickが、
「今年は誰もが女の子がチャンピオンになると思っていた。
 しかし君はここまで残った。そして君は歌手というだけではなく、
 "ミュージシャンシップ"というものを我々に見せてくれた。
 ご覧なさい。みんなが君のパフォーマンスに心を動かされている。
 事実、僕もだ!」とコメントしました。

作曲者のKen Limは、
「この曲は女性が歌う事を意識して作った。
 しかし君は完全に自分のものにして歌っている。この曲を表現するにあたって、
 音楽的には君の方がシルヴィアよりも上だ」と、コメントしました。

そして結果は、セザイリの優勝!
審査員は批評する事は出来ても投票権はありません。
もちろん彼らのコメントは、投票に影響する訳ですが、
国民はセザイリを支持したのです。
予想を完全に覆し、シルヴィアに投票しようとしていた人が、
セザイリに入れたと思えるような結果となりました。
こういうのは、本当に痛快です。
ステージには音楽の神様がやっぱり居るんだわ...と思った瞬間でした。

二人の決戦以外に、初代チャンピオンのTaufik Batisahのライブ、
2代目チャンピオンのHady Mirzaもライブを行い、
最終13組に残ったコンテスタント達のパフォーマンスもありました。

また、フィリピンのChariceがゲストで出演。
彼女のライブを生で観る事が出来たのはラッキーでした。
昨年ラスベガスで行われたDavid FosterのライブDVDを父が持っていて、
そこに出演していた彼女の歌を聴いて度肝を抜かれて以来、
You tubeで彼女の歌を結構チェックしてしまいました。
フィリピンの神童と呼ばれ、若干17才の彼女。
いやあ、凄かったです。観客、総立ちになりました。
皆さんもYou tubeでチェックしてみて下さい。腰抜かしますよ。

そんなこんなで、大興奮の内に終了したファイナル。
セザイリについて触れてばかりなので、
シルヴィアについてコメントするとすると...。

「初の女子チャンピオン」になり得るかもしれないという重い十字架は、
彼女にとって、どれだけプレッシャーだったことでしょう。
同時に油断もしたのかもしれません。
1曲目の"Mercy"は表現仕切れていましたが、
残りのバラード2曲は、完全に気負いが歌に出てしまっていました。
技術的にも、マイクのボリュームコントロールや、
言葉の切リ方がイマイチ上手く出来ず、聴き取りにくかった。
感情的になり過ぎて、歌が揺れてしまったのです。

優勝候補だったTabithaを押さえTop2に残った回の、
シルヴィアのパフォーマンスは最高でした。
彼女はもっと歌えたはずなのです。
つまりこういう場合、追われる方より追う方が心情的には有利です。

歌い手が人々を感動させようと思って歌った時、人々は感動しません。
感動する歌は、歌い手が自分に打ち勝ち、冷静に歌をコントロール出来た上に
成り立つものなのだと思います。
その現実を目の当たりにしたようでした。

最後に、TVを観ていた方に、TVには映らなかった事実を...

コンテストを終えて、結果発表までに30分のニュースのブレイクタイムが
ありましたが、その間、Tabithaを含め落選したコンテスタント3人それぞれの
ライブが行われました。また、Hadyもこの間にもう1曲歌っています。

ショーが終わった後、Tabithaのお母さんが、
「セザイリのお母さんにお祝いを言わなくっちゃ!」と、
私の側でキャピキャピ話していて、とても可愛かったですよ。

▼ショーが終わった後のIndoor Stadiumです。
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セザイリはユニバーサルと契約し、来年の4月、5月頃に
アルバムをリリースします。
どのような形で、世の中に出て来るのか...楽しみですね!

以上、シンガポールよりsachiyoのレポートでした(笑)

2009年12月24日

Merry Christmas!!

Merry Christmas!
圣诞快乐!
Selamat hari Natal!
そして、メリークリスマス!

こちらシンガポールは、朝は雨が降っていましたが、少し晴れ間が出て来ました。
今晩は...

夕暮れの風に誘われて たどりつく
華やぐオーチャードは 光の洪水
赤や緑の イルミネーションの中
南国に冬の匂い たちこめて

行き交う人波は 様々な風景
肌色 目の色 それぞれにあるけど
ふと思い出すのは あなたの笑顔
面影抱きしめて 歩いて帰ろう

("Southern Christmas"ーsachiyo より)

...な、イブを過ごそうと思います。
歩いて帰らないで、遊びに行く予定ですが...(笑)
来年は、クリスマスライブ、絶対演ろう!

May you all have a very Merry Christmas!
皆様も、素敵なクリスマスをお過ごし下さいね!

o<(*'v`p)p☆+*:;;;:*+☆ Happy Xmas ☆+*:;;;:*+☆q(q'v`*)>o

2009年12月23日

中国語レッスン終了!

今日、今年最後の中国語の授業が終了しました!
6月下旬からスタートして、毎週1回、早いもので半年が過ぎました。

私の先生は、日本に10年、シンガポールにも10年生活されているので、
日本語、中国語、英語がパーフェクトに出来る北京出身の方です。
おまけに北京で話す中国語と、シンガポールで話す中国語は単語が微妙に違って、
その違いや使い分け方もきちんと教えて下さるので、
エキスパートの先生に巡り会えて本当にラッキーでした。
非常に向学心のある先生で、定期的に北京に帰国され、
「中国語指導」の研修も受けていらっしゃるので、
私は最新の授業を受ける事が出来ます。

前回は死ぬ程忙しくて、あまり復習が出来ず怒られてしまったので、
今回は仕事の合間、合間に復習し、スタッフにもなるべく中国語を
使うようにしていたら、成果が出て「がんばりましたね!」とほめられて、
凄く嬉しかったです。

勉強や練習というものは、どんなジャンルであっても
精通する何か「コツ」のようなものがあって、
何でもいいから、がんばって続けているものが一つでもあると、
その方法論がわかってくるような気がします。

私にとっては「音楽」がそれで、音楽に対して取り組むように、
中国語にも取り組んでいたら、やり方は間違っていなかったみたいで、
結果が出て来ました。

進んでいく内に、壁がいくつもあって、それでも諦めずに
とにかく読んだり、声に出したり、一生懸命聴くようにすると、
ある日、言葉がスンナリ耳に入って来るようになって、
ぱぁ〜っと、視界が開けてくるのです。
しばらくすると、また次の壁にぶつかるのですが。

今日のレッスンで、3枚目の壁のようなものを超えた感覚があって、
いままで勉強して、何となくわかっていた事がちゃんとわかって、
嬉しかった。

SMSも先生とは中国語でやり取りするようにして、
使い方のニュアンスが正しいかどうか見て貰っています。
▼iphoneだと、やり取りが一目瞭然でいいですね。
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同じ事でも、日本語同様、表現方法も何通りもあるので、
例え1行であっても毎回なるべく変えるようにしていると、
「そんなにむきにならないの!」と笑われます。
でも「よくこんな表現知ってるわね。凄いわ!」と言われると、
やっぱりがんばっちゃうんだよなあ。
私は間違いなく、怒られるより、ほめられて伸びるタイプです(笑)

お休みしても、お正月明けのレッスンに備えて、ちゃんと復習しよう。
我有一点点进步。但是我要加油!(少しは進歩しました。でもがんばらないと!)

2009年12月21日

Letters from Ambassadors

先日の天皇誕生日祝賀レセプションにおける両国国歌独唱に対して、
直筆のお礼のお手紙が山中日本大使から届きました。
とても優しいお言葉が綴られていて、感激しました。

シンガポールに来た際に、
これまでの日本とシンガポールの親善活動に対して、
シンガポール大使からもお礼のお手紙を頂きました。
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両方とも国章入りの便箋です。
同じ年に、シンガポール大使と日本大使のお二方からお手紙を頂ける事は、
そうそうないと思うので、感慨深く、二つ並べてみました。

ちょっと不謹慎かしら...(^_^;)
お手紙の内容を隠して撮ったから大丈夫ですよね。
嬉しかったので、記念撮影保存版です!
すみません。ちょっと自慢でございました。

2009年12月18日

師走ですねえ...。

忙しい...(^_^;)
あんまり忙しい、忙しいと言いたくないのですが、やっぱり忙しいです。
ブログが10日も空いてしまって、すみません。

今、何をやっているかと言うと...新曲から既存のものから楽曲を色々揃える必要があり、
大事な契約も何種類かあるので、山のような英文書類と向き合う日々が続いてます。
日本人の歌手としては、前例がない事をシンガポールでやろうとしていて、
一から構築して行くので、結構大変。

しかし音楽まわりが忙しいのは、いいことだ、うん。
今、色々制作を行っていますが、
自分の中だけで音楽を作っているのではなく、アレンジャーが待っているのだ!
世の中に出すものを作ろうとしているのです。
このプロジェクトには、蒼々たるメンバーが集まる予定で、
めちゃくちゃ言いたいのですが、自分だけの事ではないのでまだ内緒です。

さて。
制作方法を改善しようと、機材を色々補充しました。
まず10年振りにマイクを新調。
マイクは王道のSHUREのSM58(業界では通称"ごっぱー"と言ってます)を
ずっと使っていましたが、レベル上げてBETA58を購入。
日本のライブハウスでは、ほとんどのヴォーカルマイクがこのSM58でしたが、
シンガポールでは、SHUREのマイクに当たる事はあまりありませんでした。
王道とは言っても、私には歌い易いので、
ライブの場に持っていく意味でも、SHUREを選びました。

▼早速エレピに繋げ、セッティングして歌入れ。
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いい音だ〜。
私にとっての「現場」の音が蘇って、涙が出そうになりました。
私はやっぱり「ライブ」を演りたいのだと実感です。

このエレピの優秀な所は、マイクサウンドをかなり細部に渡って設定出来、
USBを直接繋げて収録可能、PCで編集、周囲への伝達もよりスムースに出来ます。
私はこれまで結構アナログな方法で音源を用意していたので、
もっと早くやるべきだったのですが、必要に迫られないとやらない性格で...。
そして必要に迫られている状況が、これまた嬉しいのだ。へへぇ。

マイクを購入に行ったのは、シンガポールのアキバと言われている2大ビル、
▼"Sim Lim Square"と、"Funan Centre"の内部。
18Dec09_2.JPG 18Dec09_3.JPG
音響機器、IT関連商品、エレクトロニクス全般揃います。
値段もCityよりは安い。更に交渉はmustです。
マイクを日本の定価の半額以下、交渉して、市場価格よりも更に安く買いました。

Sim Limの方が、雑多な感じでオタ度も高いです。
ローカル色も強く、日本人女性1人で行くとあちらこちらからじろじろ見られるし、
勧誘に気をつけながら、ガシガシ歩かないとちょっと怖いです。
Funan Centreは、普通のショッピングセンターといった感じで、
昔に比べもの凄くキレイになっていた。日本のレストランも結構入ってます。

しかし、両方とも行って、他にも色々な電気屋さん、ネットでも探しましたが、
「MDプレーヤー」は、シンガポールから完全に消えている事がわかりました。
世界的に見ても、元々「MD」というメディアが出た時に、
使用者が多かったのは日本だけのようで、
シンガポールは、MP3やCDプレーヤーはもちろん、
カセットテーププレーヤーまでおかしい位あるのに、
MDプレーヤーは、コンポもポータブルも皆無です。

なぜ今頃MDプレーヤーが必要かと言うと、
過去の音源を100本単位でMDで録ってあり、
それをPCに取り込む必要が出て来たからなのです。
一番簡単な方法は、取り込めるWalkmanがSONYより発売されているので、
それを買えばいい訳ですが、SONY Singaporeでは販売していません。

普通のMDプレーヤーからアナログな方法で取り込むかと探しに行きましたが、
「MDプレーヤーなんて、ある訳ないじゃん。」と言われる程、どこにも無い。
諦めて、日本から入手出来る方法がわかったので、Walkmanを注文しましたが、
無事に届くといいなあ...。
差し当たって提出が必要な音源は、友人からプレーヤーを借りて取り込むことに。

昔の音源を聴いていると、歌は超ヘタクソなのに感動したり。
逆に、この時の方がよく歌えてるかも、と思うものもあったり。
2nd CDの録音のリハーサルの模様が会話まで入っていて、爆笑したり。
昔のアルバムを眺めているみたいで、楽しいですね。

でも、確実に日本で積み上げて来たものがあるのだと。
そして、それをまた一からシンガポールでやろうとしている訳だから大変です。

シンガポールに来る時に、過去に共演したミュージシャンから
色々なメッセージを頂きました。
「国はともかく、何しろ経験があるのは強み。」と、言われました。
方法論が違って戸惑う事もあるけれど、本当にそんな感じで、
結構対応出来てる自分が嬉しかったりします。

長くなりました。
がんばって、よいもの作ります。

2009年12月08日

両国国歌独唱終了でございます。

無事に終わりました〜。
いやあ〜緊張しましたー(^_^;)

前日にブログで結構偉そうな事を書いて、自分を追い込んでおりましたが、
自分的にはまずまずの出来でした。

今回のように2曲のみ。合わせて3分足らず。しかもアカペラ。
こういう状況は、もう瞬発力と集中力の極地。
歌手というよりは、アスリートに近いです。

自分のコンディションを正直に話すと、
実はかなり制限がかかった状態で臨んだステージでした。
お恥ずかしい話、3日前より熱を出し、喉に炎症を起こして膿みが出てました。
長い歌手人生、どんなに健康管理に気をつけていても、
こういう事が起こる事はあります。
いつもこの様な状況に立たされた時、
私が信頼しているレコーディング・エンジニアが
言ってくれた言葉を思い出します。

「プロというのは、制限がかかった時にどれだけやれるのかという事に尽きます。」

今、出来る精一杯のコントロールと、自分の描いたストーリーを信じること、
そして何より「伝えたい」という強い気持ちを持って歌うこと。
技術的には、自分の力を100%出し切れませんでしたが、
お客様の反応を拝見するに、私が求められていた任務は、
無事に果たせたのではないかと思っています。

衣装は、ROUROUさんがこちらに来る際にプレゼントして下さった、
リトル・インディアで買い付けた生地で作った着物スリーブドレス。
"Singapore Festival 06"の時に「日星融合」をテーマに制作したこのドレスが、
今回の主旨に一番相応しいと思い、選びました。

"Majulah Singapura"を歌って、一番嬉しかったのは、
シンガポール政府機関よりマレー語の発音が完璧だったと言って頂けたこと。

特に、ステージ袖に居たFullerton hotel(会場)のバンケットマネージャーが、
マレー人の方だったのですが、"Majulah Singapura"を歌い終わって、
一度ステージ袖に戻った時に、こう言ってくれました。
「完璧な発音でした! 特に"Berjaya"の"Ber"の発音は、
 シンガポーリアンでも出来ない人が多いんですよ。100点満点です!」

そう、その"Be"(ベとブの間の発音)と、"r"の舌を巻く発音のコンビネーションは、
この2週間位マレー人を捕まえちゃー(スタッフやタクシーのおっちゃんなど)
「私の発音ちゃんと出来てるかどうか、聞いて下さい。」とお願いして来たので、
そこを指摘されたら、たまりません(笑)

他の大使館からも、その国のナショナルデーで両国国歌斉唱をして欲しいとか、
「あんなにエモーショナルな国歌の歌い方はどうやって出来るのか教えて欲しい。」
と、シンガポール政府の方々から、電話番号を聞かれました...。

また、全てのシンガポーリアン出席者が、きちんと背筋を正して、
直立不動で聞いて下さる様子が印象的でした。
シンガポーリアンの「国歌」に対する想いは、非常に重いと再認識しました。
歴史的な背景や、私が子供の頃に味わった体験を考えると、
公式イベントで、日本人が歌う"Majulah Singapura"にシンガポール政府機関が
耳を傾けて下さるという事は、とてつもない事なのだと思いました。

また「君が代」の方は、意気揚々と歌う"Majulah Singapura"に比べ、
厳かに粛々とした気持ちで歌う事を心掛けました。
言葉の意味を考えて、ブレスする場所に非常に気を配ったので、
「"さざれ石の"を、"さざれ"と"石の"の、間で切る人が多いけれど、
 あれは"細石"(さざれいし)という一つの単語なので、区切らなかったのは
 意味をちゃんと踏まえて歌っているのですね。」と、こちらの意図を読んで下さった
 意見も聞かれました。
歌っている時に、一緒に歌って下さった方々も居て、心強かったです。

帰国子女として帰国し、なかなか日本に馴染めず、一時は日本が大嫌いになり、
その時代を乗り越え、日本人である事を誇れる自分になってから、
歌った「君が代」は感動的でさえありました。

両国国歌を歌い終えた時の山中日本大使夫妻の笑顔が何より嬉しく、
直々に私を指名をして下さった大使のご期待に応える事が出来、
本当によかったです。
私の立場を大事にして下さった舞台設定に心より感謝します。

そして、よい環境を整えて下さり、細部に渡って気を遣って下さった、
在星日本大使館のスタッフの皆様にお礼を申し上げます。

これからも奢らず、高ぶらず、謙虚に音楽人生を突き進んで行きたいと思います。
応援、ありがとうございました。

▼本番後に両親と撮った写真です。
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2009年12月06日

両国国歌独唱

さて、12月7日、いよいよ明日となりました。
在星日本大使館主催による「天皇誕生日及び即位20周年祝賀レセプション」にて、
両国国歌斉唱を行います。

早いもので、シンガポールに移って、8ヶ月になりました。
その間、2つのイベントに出演の予定がありましたが、
どちらもキャンセルになり、今年も終わり間近になって、
ようやくのシンガポール初ライブがこの国歌斉唱です。

両国(日本とシンガポール)国歌斉唱を一人の歌手が行う事は、
世界的にもあまり例がないようで、とても名誉あることです。

シンガポール国歌、"Majulah Singapura"の歌詞はマレー語です。
シンガポールはマレーシアから分離独立した経緯があり、
歴史的、政治的な理由から、国歌はマレー語となりました。
私は、シンガポールに来た4才の時、現在のMedia Corp(当時のSBC)のTV放送は、
毎日国歌で始まり、国歌で終えていたのを、昨日の事のように覚えています。

また、我が母校シンガポール日本人学校では、
"Majulah Singapura"と"君が代"、そして"校歌"。
この3曲を1セットにして、あらゆる行事で生徒に歌わせる事を義務づけました。
お陰で、私は難なく"Majulah Singapura"を歌う事が出来るようになりました。

歌手になり、日本とシンガポールの音楽親善大使的な活動も
させて頂くようになって、"Majulah Singapura"を歌う機会は何度かありました。
子供の頃は意味も分からず、カタカナで覚えていた国歌を、
プロとして人前で歌う為に、マレー語として理解した時に、
単語の区切り方がかなり間違っていた事がわかり、笑ってしまいました。

マリキタラ ヤシンガプラサ マサマムヌージュ
私は子供の頃にこうやって歌っていましたが、

マリキタ ラヤ シンガプラ サマサマ ムヌジュ
実際はこちらが正解でした(笑)

しかも、アルファベットにしたら、
Mari kita rakyat Singapura sama-sama menuju

ラヤには"k"も"t"も付くし、"menuju"の"e"の発音は、
「メ」と「ム」の間の音なので、カタカナ通りには発音しません。
習慣というのは恐ろしいもので、矯正するのはかなり大変でした。

そして今回、「君が代」を歌手として、初めて歌います。
「君が代」はその内容に対して、色々な意見が聞かれますが、
私は一つの楽曲として捉えると、音楽的にはとても好きな曲です。
今回歌う為に、色々研究しましたが、いやあ、歌うのは本当に難しい。
かなり歌唱力が試される国歌ですね。

私は「日本人」という看板を今以上に認識せざるを得ない時代に、
シンガポールで育ったので、この二つの国歌を歌う事は、
言葉に出来ない色々な想いがあります。
様々な情景が私の脳裏に浮かびます。
正直、涙が出る想いです。そして、とても重い。

日本人の歌手が、単発的に外国の国歌を歌うのとは明らかに違う
"Majulah Singapura"を。
そして、祖国を常に外国からみつめて来た日本人歌手が歌う「君が代」を。
私は表現したいと思います。

私にしか歌えない国歌が歌えますように...。
キックオフは、明日シンガポール時間19:00、日本時間では20:00から。
皆さん、応援して下さい!

2009年12月02日

Speech Level Singing

みなさんは、"Seth Riggs"という人をご存知ですか?
私がこの名前を知ったのは、今から20年近く前。
歌手の広瀬香美さんが彼のオーディションに合格した、
最初の東洋人であるという話を聞いた時に知りました。

Seth Riggs氏は、一般的にはマイケル・ジャクソンの
ヴォイストレーナーとして知られていて、
世界で最も成功したヴォーカル・コーチだと言われています。
マイケル以外にも彼のクライアントには、
スティービー・ワンダー、ナタリー・コール等、
120人以上のグラミー受賞者がいます。

このSeth Riggs氏が発案したテクニックが「Speech Level Singing」。
このメソッドを受け継ぎ、Seth Riggsが最も信頼を置いているという
最高レベルのインストラクター、Jeffrey Skouson氏が来星するというので、
「これは行かなくっちゃっ!!」と、マスタークラスを受講しに行って来ました。

サンテックのコンベンションルームの一室で、総勢70名位だったかな?
何と途中1時間半のお昼休憩を挟んで、7時間の講習を受けました。

「英語が理解出来ない人?」と聞かれ、誰も手をあげない、ここはシンガポール。
「今回はアジアツアーで、台湾、韓国、日本、そしてシンガポールに来た訳ですが、
一番話が早そうだ。皆さんは聞いていると、"a kind of same language"を
話してるようだし...」という言葉から始まり、全員の大爆笑から講義は始まりました。
"Singlish"は、そう聞こえるよねえ。

この"Speech Level Singing"、つまり「話すように歌う」。
声帯や体に負担をかけないで、如何に奇跡のような声を作り出すのか、
時には図解し、デモも聴かせ、非常に理論的に講義は進んで行きました。

シンガポーリアンは、こういう場合、とにかく積極的です。
山のように質問し、時には過剰なまでに自分をアピールします。
私は「そうか、そういう場合、最近の英語ではこう言うのか...
それだけ理論的に声の作り方を説明出来るのは凄いなあ〜はぁ〜...」と、
ひたすら感心するばかりで、質問の粋にまで行かなかったです.....反省(T_T)

「これだけ質の高い質問ばかり出るのは、シンガポールとは凄い国だ!!」と
Jeffも感心仕切りです。
途中、John Lee氏(日本では、Dick Lee氏の弟さんと言ったらわかり易いかな?)
率いるVocaluptuousのメンバーも全員参加していたので、
彼らのパフォーマンスもあったり、12才の男の子が天使のような声で
MJの"Ben"を歌ったりして、非常に楽しいクラスでした。

他にも何人かが指されて、ステージ上で実践的にトレーニングを施されました。
Jeffは瞬時にして、その人の音域、特性、弱点を掴み、
次から次へと修正して行きます。
ものの数分で、弱点が劇的に直っていく様子を見ると、感動さえ覚えました。
しかし、ステージに上がる希望者多しで、入り込む事が出来ず残念。
ちょっとシャイだったかも...もっとアピールすべきだったなあ。
私も日本の生活長くて日本人になったか...?(笑)

それにしても、世界レベルの発声法を間近で学べたのは、本当に勉強になりました。
私もまだまだ未熟ですが、今の歌が歌えるようになるまで、何年もかかりました。
長くキラキラとした声を保てるように、きちんとした発声法で精進しようと思います。
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